円相場下落、対ユーロは上昇 関税撤回でドル買い
22日早朝の東京外国為替市場で円相場は下落している。8時30分時点は1ドル=158円34〜35銭と、前日比43銭の円安・ドル高となった。トランプ米大統領による欧州追加関税撤回の受け、ドル買いが優勢となった。
グリーンランド問題の緊張緩和が市場を安定化
トランプ大統領は21日、世界経済フォーラム(WEF)でグリーンランド取得に武力を使わない意向を示し、SNSでは欧州8カ国への追加関税を「課さない」と表明した。これにより、20日の「トリプル安」を招いた米欧対立激化懸念が後退。市場は安心感から米資産の買い戻しに動き、これが円相場の円安圧力につながった。
「課さない」- トランプ大統領がSNSで欧州追加関税方針を撤回。
日本の財政懸念が継続的な円の重荷に
一方、日本の円相場にとって重荷となっているのが拡張的財政政策への警戒だ。高市首相の衆院解散表明と消費税非課税方針、野党も含めた消費減税論議が、財政悪化懸念を強めている。この基本的な弱材料が円相場の下値を限定している。
介入警戒が下落に歯止め、対ユーロでは円高
もっとも、円相場が一段と安くなれば日本当局の円買い介入が現実味を増すとの見方が強い。木原官房長官が「高い緊張感をもって注視」と述べ、片山財務相も「断固たる措置」を繰り返し表明するなど、当局のけん制が下値支持材料となっている。この環境下で円は対ユーロでは上昇しており、1ユーロ=184円87〜90銭と円高・ユーロ安となった。ユーロ/ドルも下落し、ドル買いの動きが幅広く優勢であることを示している。
綱渡りの相場、焦点は政策リスク
現在の円相場は、海外の地政学リスク後退によるドル買いと、国内の財政リスクという二つの流れの綱引き状態にある。短期的には、米欧通商問題の展開と、日本の政治日程に伴う財政論議が主要な方向性を決定付ける。投資家は、米政権の通商政策の一貫性のなさと、日本の財政規律に対する市場の信認度合いを慎重に計り続ける必要がある。


